さいのめ

観た映画の感想などなど。

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レビュー:ビッグ・フィッシュ  [edit]

 大学院の入試が本格的にヤバかったこともありまして、ここ2週間くらいは映画を見るのを控えておりました。おかげさまで、映画館に行きたくて行きたくてしかたがありません(苦笑)
 前から観たいと思っていた映画が8月1日に公開になるので、他に気になってた映画も併せて、近いうちに4本くらい一気に観てこようと思いまーす♪
 
 とりあえず一つ目の入試が終わったということで、前から観よう観ようと思っていたDVDを1本消化しました。今回はその感想でも。
 
『ビッグ・フィッシュ』
 ティム・バートン監督 2003年

ビッグ・フィッシュ コレクターズ・エディション [DVD]
 ウィルの父エドワードは、明るく社交的で、「作り話」を自分の体験談のように面白おかしく人に聞かせるのが得意だった。しかし、幼い頃から何度もその「作り話」を聞いてきたウィルはいつも家を留守がちで本当のことを話そうとしないエドワードに対して、複雑な思いを抱いていた。
 ウィルは妻と二人で実家を離れて暮らしていたが、父が倒れたという知らせを受けて実家へ帰ることに。数年ぶりに会話をするウィルとエドワード。相変わらず「作り話」ばかりしようとするエドワードに対して、ウィルは「本当のことを話してほしい」と思いをぶつけるが・・・。

 
 家族から遠ざかって生活しているせいか、最近「家族」がテーマの作品にちょっと弱いです…(苦笑)
 
 父エドワードが話すエピソードは、とても事実とは思えないような不思議な話ばかり。その内容はいつだって大冒険だし、エドワードはいつだってヒーローです。
 たしかに聞いてる分には楽しく聞ける話ですが、たまにしか話ができず、その内容もほら話ばかりとなると、子どもとしてはたまったもんじゃないかもしれません。
 「本当の父さんを見せて」「私はいつだって自分そのものだ!」…本当に不器用な親子です。
 
 2人に深い溝があった分、ラスト、ウィルがエドワードへ語りかける中で溝が埋まっていく様子には何とも言えない感動を覚えます。2人が分かりあえて本当に良かった。事実かどうかなんて、大した問題じゃないんです。本当に大事なのは、その中に込められた想いを伝えることなんだから。
 
 映像の完成度の高さに関しては、流石はティム・バートン!といったところですねー。
 トーンの違う現在と過去のシーンを、丁寧に織り交ぜながら展開されるストーリー。一つ一つのシーンがとても洗練されていて、監督の映像に対するこだわりが観ているこっちにもビシビシ伝わってきます。
 特殊効果やパペット、CGまで使いこなして、ここまで自然な映像に仕上げることができる人って、他にいないんじゃないでしょうか? 夢とも現実ともつかない映像を撮らせたら、やっぱりこの監督はピカイチです。
 
 どんな人にもお勧めできる、良作のファンタジー。
 ティム・バートンって、ホラーめいた映画ばっかり作ってるイメージがあったのですが、こんなに素敵なファンタジー映画も撮れるんですね。僕の中でイメージがずいぶんと変わりました。
 これは、来年春公開の「アリス・イン・ワンダーランド」にも期待できそうです☆
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 [ Tags ]  洋画  ファンタジー  家族 

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レビュー:東京物語  [edit]

 このブログ初の白黒作品のご紹介。古いモノにも素敵な作品がいっぱいあるんですよ♪
 
『東京物語』
 小津安二郎監督 1953年

東京物語 [DVD]
 東京旅行を兼ね、離れて暮らす子どもたちのもとに、はるばる尾道から訪ねることになった老夫婦。
 長男夫婦や長女夫婦の家に厄介になる老夫婦だったが、長男も長女も両親のことより自分たちの生活で手一杯。そんな子供たちに代わって、老夫婦に東京を案内するのは、第二次大戦で戦死した二男の妻、紀子だった。
 実の子どもたちのどこか冷めた様子に寂しさを感じつつも、「楽しかった」と言い残して老夫婦は尾道へ帰っていく…。

 
 戦後間もないころの映画ですが、描かれているテーマが今に通じるところもあり、現代人の私たちから観てもハッとさせられる映画だと思います。特に、親元を離れ、大した距離じゃないのにろくに実家にも帰らない、まるで誰かさんのようなバカ息子には少々堪えますよ、きっと…。はぁ。
 
 この作品で僕が何よりも推したいのは、その独特な作風です。後から調べてみたところ、「小津調」という名前が付いているんだとか。
 
 作中の至る所に登場する登場人物の会話シーン。これが、上半身アップのカットだけでつながれます。
 淡々と同じカットを繰り返すだけ、変化らしい変化のない映像。なのに、観ていてこんなに迫ってくるのは、訴えかけてくるのはどうしてなんだろう。
 ちょっと技術的っぽい話になりますが、映像をかじったことがある人の常識として、似たアングルを繰り返しちゃいけないとか、イマジナリーラインを超えちゃいけないとか、御法度とされていることがいくつかあるんです。観ている人に飽きさせたり、違和感を与えたりしてしちゃいけませんからね。
 ところが、この映画ではそれが生き生きとした映像に仕上がっている。変化のなさが、かえって僅かな変化を際立たせているとでもいうのでしょうか。登場人物の感情の変化がじわじわ伝わってきます。
 こんな表現方法があるなんて思いもしなかった。そして何より、その表現方法を大成功させている小津安二郎監督のセンス。とにかくハンパないです。
 
 高校生のうちにこの映画に出会っていたかったな。そしたらきっと、部活でやっていたドラマ制作にも多大な影響を与えてくれていただろうと思います。間違いなく、ひとつの目標になってたと思います。
 
 この東京物語が僕にとって初めての小津作品だったので、他の小津監督の作品も観てみようと思います。白黒の作品が苦手という人も、だまされたと思って是非。

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 [ Tags ]  邦画  家族 

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レビュー:シンドラーのリスト  [edit]

 つい一昨日のこと、とあるニュースサイトで「AKIRAの実写化がとん挫したらしい」との記事が。→こちら
 …って、先週紹介したばっかりなのにw まぁ、下手なリメイクしてファンの反感買うよりは良かったと思うよ、うん。
 
 さて、気を取り直して次の紹介に移るとしましょうか。
 
『シンドラーのリスト』
 スティーブン・スピルバーグ監督 1993年

シンドラーのリスト スペシャルエディション [DVD]
 ナチの党員である実業家シンドラーは、ドイツの占領下にあったポーランドの都市クラクフを訪れ、軍用ほうろうの製造事業を始める。彼は、当時迫害の下にあったユダヤ人たちを安い労働力として雇い、事業を大成功させる。
 次第に彼は自身の事業の成功よりも、ユダヤ人の救済を願うようになっていく。ユダヤ人居住区が解体され、ユダヤ人たちが強制収容所に入れられた後も、シンドラーはユダヤ人救済のために暗躍する…。

 
 とても感動しました。決して完璧な英雄などではなく、時に利己的であり、人としての弱さも見せる主人公シンドラー。あくまで一人の人間として描かれたシンドラーに、私はリアルな人間臭さを感じ、深く共感することができました。
 
 ただ、手放しで絶賛できないのも事実です。
 最初はあくまでただ金儲けのため、「安い労働力」としてユダヤ人を見ていたシンドラー。ところが最後、シンドラーは私財を投げうってまで母国ドイツに反抗し、ユダヤ人を守りぬきます。一人の人間にこれだけの心境の変化が起きるには、どこかで相当な葛藤が、あるいはそんな葛藤をはるかに凌駕するような衝撃的な出来事がなければ不自然です。
 目を覆いたくなるような虐殺の光景が、彼の心を動かしたのでしょうか? それとも、シュターンをはじめとした多くのユダヤ人と共に仕事をしていくうちに情が移った?
 彼にユダヤ人救済を決心させる一つのきっかけとして、"赤い服の少女"がいました。ところが、シンドラーにとって"彼女"が特別である理由が、作中では明示どころか暗示すらされていません。これでは説得力に欠けます。だったら誰でもよかったのか、と。
 この映画では、主人公をはじめ、登場人物の心理状態の変化する過程がほとんど描写されません。だから、どうしても唐突な印象を受けてしまう。人間にスポットライトを当てて描くドラマの場合、この部分こそがドラマの肝だと私は思うのですが…。その点で、非常に残念に感じました。
 
 長々と批判めいたことを書いてしまいましたが、これも作品の出来の良さゆえ。他の部分がいいから、どうしても欠点が目立って、気になっちゃうんです。
 最後、シンドラーがユダヤ人に見送られるシーンは、涙なくして観ることはできません。一度は観ておくべき映画だと思います。

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 [ Tags ]  洋画  戦争  ヒューマンドラマ 

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レビュー:AKIRA  [edit]

 今回はハリウッドで実写化も予定されている神アニメのご紹介。
 …そういえば、実写化の続報どうなったのかな。今年の夏に公開って言ってたはずなんだけどなぁ。。。
 
『AKIRA』
 大友克洋監督 1988年

AKIRA - DTS sound edition 〈初回限定版〉 [DVD]
 第3次世界大戦から31年後の2019年。東京湾に浮かぶ都市ネオ東京は暴走族や反政府ゲリラの活動で荒廃しきっていた。
 主人公の金田は、暴走族チームのリーダーで、夜な夜な暴走行為を繰り返す少年。ある夜の抗争中、仲間の鉄雄が白髪の少年と衝突事故を起こして重傷を負ってしまう。鉄雄を助けようと駆け付けた金田たちだったが、そこに武装したアーミーが現れ、意識のない鉄雄となぜか無傷だった白髪の少年を連れ去って行く。
 鉄雄が連れていかれたのは政府の研究機関だった。そこで被験体にされた鉄雄に、不思議な力が芽生え始めていく。
 そんな中、金田は反政府ゲリラの少女ケイと知り合う。そして鉄雄が研究機関にとらわれていることを知った金田は、反政府ゲリラと共に研究機関に侵入することとなる…。

 
 全編を通して全く衰えることのない、その作画・動き・音響のレベルの高さにはただただ圧倒されます。20年以上前の作品にも関わらず、昨今の作品と見比べても全く見劣りしません。てか、むしろ今のアニメの方が負けてるんじゃないかって思うくらい。…どんだけ気合入ってたんだ当時のスタッフは;
 ストーリーはやや駆け足気味な所もありますが、とてもよくまとまっていると思います。劇中のいろんな要素が複雑に絡んできて、観ている側を飽きさせない、スピード感あふれる展開。アニメも実写も問わず、たった2時間でここまで表現できる映画にはそうそう出会えないと思います。
 
 あえて気になった点を挙げるとすれば、とある脇役がやけに目立っていたことでしょうか。鉄雄くんの心の支えになってるっぽい娘なのですが、べつに彼女に関する特別なエピソードが描かれるわけでもなく、僕としては「なぜここで彼女が?」という印象でした。まぁ、全体の印象に比べれば単なる誤差の範囲内ですが。(後で調べてみたところ、どうやら原作では結構重要なポジションにいるキャラクターだったりするらしいです。原作読んでみると、印象も変わるのかも。)
 
 最後のセリフの解釈がとても難しいです。一瞬、彼らは悲劇的な運命を受け入れたのかとも思ったけど…多分、希望を捨ててないっていうことなんだろうな。金田が言う「きっと…」の後ろに何が続くのかを考えれば、おそらくは。
 
 
 国内外で大絶賛されたという、伝説的とまで言われるそのクオリティはとにかく必見です。観るべし。

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レビュー:セブン  [edit]

 今回はサスペンスでーす。監督曰く、ホラー映画らしいけど。
 
『セブン』
 デイヴィット・フィンチャー監督 1995年

セブン [DVD]
 定年間近のベテラン刑事サマセットと、彼のもとに着任してきた新米刑事ミルズ。そして彼らの前に起こる、「七つの大罪」をなぞらえた猟奇的な連続殺人事件。
 始めこそ息の合わない2人だったが、徐々にうち解け、コンビとして事件の真相を追っていく。
 だがそんな2人をよそに、犯人は異常な殺人を重ねていく…。

 
 この手の映画に関してはあんまりネタバレしたくないんで、軽めですがあらすじはこんなもんで。
 
 この映画最大の魅せ場は、ラストシーン手前の2人と犯人の会話の場面です。
 淡々と自身の犯行について語りだす犯人。自信にあふれた犯人の語り草は、その内容に妙な説得力を与えます。絶対に間違っているはずなのに、自己中心的な屁理屈にすぎないはずなのに、観ているうちにどこか否定できない気がしてきてしまう。私たちが抱える心の闇の部分をうまくあぶりだすように描いたフィンチャー監督には、ただただ脱帽です。
 
 2人の刑事のコントラストも印象的。その個性的な2人に扮するモーガン・フリーマン、ブラット・ピットの好演も光ります。特にラストシーンの悲しい表情が何とも…。
 
 絶望的な終わり方で、胸が痛くなる映画だけど、一度は観ておいて損のない超一級のサイコスリラーです。
 …ただ殺人の方法がものすごくエグいので、グロ耐性のない人は注意。

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 [ Tags ]  洋画  サスペンス  スリラー  サイコ   

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